一対半の手袋

こんにちは。ハーバーライフデザインの皆川です。

今期最大の寒波が来ておりますが、皆様風邪などは引いてないでしょうか？今朝は吹雪の中、手袋を家に忘れてきてしまった自分を呪いながら出勤いたしました(-_-;)

愛用している手袋は20年以上前のもので、右手の手袋だけ２つあります。今回はなぜ右手だけ２つあるのかをお話ししたいと思います。

20年以上前、私はスペインに留学をしており、留学してから数ヶ月が経った冬に友達が遊びに来てくれることになりました。サッカー好きの友達はレアルマドリードの試合を本場で見たいというので、マドリードに住んでいる友達にお願いして、チケットを手配してもらいました。

試合は夜からでまだまだ時間があるので、マドリード在住の友達と３人で買い物に出る事になりました。寒さ対策も兼ねて以前から欲しいと思っていた手袋をデパートで買う事にしました。当時私はワインレッドのダウンコートを着ていたので、それに合わせてワインレッドの鹿革でできた手袋を散々悩んだ挙句に購入しました。

私としては高価な買い物でしたが、革製品も有名なスペインでの記念品だと思って奮発しました(笑）早速手袋をつけて他のお店も見て回って、一旦ホテルに戻ろうと地下鉄に乗り込もうとした時に、手袋が片方無い事に気が付きました。落としてしまったのかと思って近くや通ってきたところを友達にも協力してもらって探しましたが見つかりません。もしかしたら財布と間違えてスリにあってしまったのかもしれません。結局見つからないまま仕方なくホテルに戻って、そのまま私は寝込んでしまいました。

留学して数ヶ月経ってそれまで無我夢中だったのが、少し慣れてきて様々な悩みが出ていた頃でした。少し風邪気味だったせいもあるかもしれませんが、今考えればかなり大げさですが、「そんなバカな奴は日本に帰ってしまえ！」と言われているような気持ちになっていました。私はそのままホテルで休む事にして、友達２人には観光に行ってもらう事にしました。

数時間後、観光に行っていた友達が戻ってきて、私に包みをくれました。うとうとしていた私は半分寝ぼけたまま受け取って、言われるがままに包みを開けてみると、さっき片方失くしたばかりの手袋と同じものが入っていました。私のあまりの落ち込みようを見て、友達２人でお金を出し合ってプレゼントをしてくれたのです。

驚きと同時に、「まだまだ大丈夫だよ。」と言ってもらったような気がして、本当に嬉しかった事を今でも昨日の事のように覚えています。これまでもプレゼントをもらったりあげたりしましたし、これからもするとは思いますが、こんなにタイミングのよい、素敵なプレゼントを私自身はプレゼントできたことがありません。この手袋は手の温かさと同時に心も温かくしてくれる私の宝物です。